秩父まるごと博物館 ・・・一緒にやってみませんか・・・
■設立趣旨
秩父地域は独特の自然・歴史・文化が集積している世界的にも稀な地域です。
これら学術資源を調査研究し保護・活用することは、地域の豊かな発展と他地域への波及にも重要な意義があります。
そこで、自然や人、祭りや生活・産業までも巨大な博物館と見立てて、住民自らが学術的に探求し、発信する拠点として、コア館(中心館)とサテライト館(各種施設)群を設けます。
その活動の推進・運営には、非営利活動法人秩父まるごと博物館があたります。秩父の豊かな未来の創造に向け、いままでにない壮大な試みを皆さんと共にすすめてゆきたいのです。
概要・特色 どんな博物館なの?
この博物館の構想は1960年代、フランスにおこったエコミュージアムを参考にしたもので、生活環境博物館などといわれ、生態系・経済を重視するいくつもの博物館群から成り、自然や歴史・文化・伝統を中核にすえ、住民の衣食住、産業や商業、運輸などの諸活動までも、博物館活動に位置づけて実践する新しいタイプの博物館です。
この博物館は従来のような施設や資料中心ではなく、野外Field、土地Geo活動を重視します。
秩父ではさらにEcho=響き合いも付加して対象や分野が全体としてSynthesize=総合されるよう運営していきます。
組織・構成 どのように運営されるの?
まるごと博物館は、中核(コア、複数も可)と多数の衛星(サテライト)館から成ります。コア館は、シンボル的総合博物館でサテライト館を支援し、サテライト館はコア館に情報などを提供します。サテライト館には、地域に分散する見学・体験できる施設や博物資料、または文化財等が該当します。施設には既存の博物館・美術館・資料や公共施設だけでなく、社寺、工場、商店、飲食店、農家、各種団体、運輸会社、山小屋、旅館、民宿なども含まれます。
博物館の構成員は、博物館に加盟する施設や団体、博物館活動を行う個人などから成り、住民(入会している)が運営に参画し、博物館の当事者となります。全体の管理運営は、まるごと博物館が組織する運営機構によってなされます。
事業・活動例 どんなことするの?
■コア館でのプロジェクト〈例〉
・秩父に関する情報一元化の構築、情報サービス
・学術資源に関する総合調査、研究
・既存博物館・資料館・美術館との連携、管理受託
・共同利用の博物館・美術館展示場づくり
・世界遺産、ジオパークヘの取組み
・登山者・観光客・ハイカー・巡礼者へのガイド、外国語も積極的に
・秩父紹介の学術図書の刊行
・国際龍勢学会の設立、シンポジウム開催
・和銅遺跡総合調査
・美術展、音楽演奏会とのジョイント行事
■サテライト館での事業・活動〈例〉
・商店、飲食店、工場、工房…写真、地図、製法などを展示、
包装紙に地域の自然・歴史など印刷
・農家…体験学習、都会の人への耕作指導、支援
・河岸段丘を利用したスケボー大会
・出前語り部
・古老からの聞書き→編集→出版、支援
・郷土芸能の実演公開
・山小屋、民宿、旅館、ホテル…周辺の学習、散策コースをつくる。案内書の配付
・どんぐりの食品化研究
・交通機関…事業・行事を共同開催、PR協力
・郷土食・民具の調査、復活
資金・入会加盟
博物館に入会を希望する方は、所定(別紙)の申込書に年度会費を添えて、申し込みます。また、退会についてはその旨を書面を以て通知して退会します。
博物館の財源は、年度会費(3000円)、寄付金、補助金、事業収益金、基金などです。
Iエコミュージアムの構成概念図(拡大)
世界の中の秩父
私たちが考える秩父は、秩父盆地を含む秩父山地地域です。
この秩父地域には、自然、歴史、文化、伝統が重層的に集在し、学術資源が無尽蔵な、世界でも稀な地域です。
私たちはこれらの学術資源を総合的に認識し、さらに発掘するとともに発信しながら生活に活かしていけるような装置として、まるごと博物館を構想しております。
歴史
橋立式土器(縄文時代草創期の標式)
知知夫彦命(東国で最も早い国造)
和銅献上(これを記念し、貨幣発行、年号改元)
野上下郷の板石塔婆(日本最大の板碑)
秩父事件(フランス人権思想の影響)など
文化・伝統
秩父夜祭をはじめ大小の民俗行事
秩父観音霊場(西国、坂東とならぶ霊場)
荒川水系の漁撈具、秩父の山村生活用具
龍勢(世界の代表的な伝統ロケット)
新井家住宅、内田家住宅(秩父の代表的民家)
秩父歌舞伎、秩父音頭
地質・地形
秩父古生層(古生代の標式地層)
甲武信岳(3海に注ぐ川の水源地)
パレオパラドキシア(世界に誇れる化石ほ乳類)
長瀞(名勝・天然記念物)
ようばけ(力二化石の産出地)
秩父盆地の河岸段丘(段丘地形の典型)
日本地質学の発祥地など
植物・動物
北方系・南方系動植物の限界地・交錯地
「チチブ」と名のつく植物21種
石灰岩特殊植物の自生地
ニホンオオカミの最後の生息地など
(秩父まるごと博物館パンフレットより)